ropolis note

社畜、ニート、海外滞在などの経験をもとに、自分なりの人生に対する考え、哲学をお届けします。

音楽と記憶にまつわる話

音楽を聴くと、その曲を聴いていた当時の記憶が呼び起こされるといった経験は誰しもあるのではないか。

 

普段閉じている記憶をしまった引き出しを開ける鍵の役割を果たしていると感じる。

 

また、これは僕個人の感覚の話なのだが、そのように呼び起こされる記憶というものには共通点があるようにも思える。

それは、「圧力」だ。

 

その圧力とは広い意味で、青春の日々、恋愛、仕事や人間関係など何かしら自分に大きく影響を与えるものと共存していた日々。

それらによって受けていた圧力が、強ければ強いほど、その当時に聴いていた音楽に記憶を深く絡めて引き出しにしまっているような感覚だ。

 

 

この引き出しが鍵によって開く瞬間が好きだ。

 

しかし、僕は好きな音楽をあまり聞かない。

それはなぜかというと、音楽で記憶の引き出しを開ける作業を何度も繰り返していると、その音楽が鍵としての役割の力が薄れてくるからだ。

 

昔聞いていた音楽を聴いて、当時の記憶を呼び起こしてると、そのうち「昔聴いていた音楽」という事実から、「最近聴いている音楽を」に上書き保存されてしまう。

 

記憶の引き出しを開ける鍵ではなく、現在進行形の好きな音楽として認識されてしまうのだ。

 

だから僕は好きな音楽を、ここぞという時以外、無闇やたらと聴くことを避けている。

 

好きな音楽は、そのときの記憶の中に閉じ込めておきたいのだ。

そしてたまに無性に会いたくなった時に、会いに行く。